債務整理で返済額が減らせる理由(過払いについて)


過払い金とは?

2010年まで、貸金の上限利率は「出資法」では年利29.2%、「利息制限法」では10万円までは年利20%、100万円までは年利18%、それ以上の場合は年利15%と規定されていました。

ふたつの法律の間の金利(20%以上29.2%未満)は「グレーゾーン金利」と呼ばれ、長らく議論の対象になってきましたが、いくつかの法改正を経て、2010年6月には出資法の上限金利も20%に引き下げられました。
これにより、現在は「グレーゾーン金利」は存在しません。

しかしそれまでは、利息制限法に罰則がないこともあって、ほとんどのサラ金やクレジットカードのキャッシングの金利は20%台に設定されていました。

法改正を先取りする形で、サラ金や信販会社も2007年後半頃から順次上限金利を20%以下に引き下げましたが、何もしなければ、それ以前に支払った利息制限法の規定を超える金利が返還されることはありません。

債務整理をすると、借入当初にさかのぼって、利息制限法に基づいた金利で利息を計算し直します。
2000年代前半以前に初めて借入をし、以降、「借りては返し」を繰り返してきたような場合、現在の利率は20%以内でも、2007~8年頃まではもっと高い利率だった可能性が高いです。

このため、債務整理をすると、借入当初からの全取引データの開示を債権者に請求して一番最初の返済分から、利息を現在の法定利率で再計算し、余分に「利息」として支払っていた分は元金返済分に充当します。
この計算の結果、すでに返済は完了していて、それ以上の金利を余分に支払っていた、という場合もあります。
この、余分に支払っていた金額が「過払い金」です。

私が債務整理をした2000年頃は、過払い金が発生していることがわかっても交渉や訴訟をしないと全額返金されることは困難でしたが、その後、最高裁の判決などもあって、現在は事務作業レベルでも過払い金は全額利息付きで戻って来るのが当たり前のようになってきています。

ですが、大量の過払い返還請求と法定金利の引き下げによって多くの貸金業者が経営を圧迫され、統廃合や倒産に追い込まれました。
このため、過払い返還請求をする相手がすでに存在しない、存在はしていても法的整理中で満額返還は期待できない、というケースも急増しています。

過払いが発生しなくても債務整理は有効

借金をし始めたのが2007~8年以降の人は、法定金利内での借金のみの場合がほとんどなので、債務整理をしても過払い金は発生しません。
しかし、任意整理や特定調停をすれば、それ以降は利息がつかず、大抵は元金のみの分割返済になります。
個人再生なら、もっと大幅に返済額を減らせる場合もあります。

過払い返還が無くても、債務整理が返済に窮する債務者の救済手段であることに変わりはありません。