どの整理方法を選べばよいのか?


まずは返済可能額を把握する

下記のような考え方で、自分の収支を客観的に把握して、どの整理方法が自分にふさわしいのかを検討してください。

弁護士などに相談する場合は、自分の収支さえ把握しておけば、必ずしもどの整理方法を取るかを決めてから相談に行く必要はありません。
弁護士に希望を伝えることは大切ですが、専門家である弁護士のアドバイスも整理方法選択のための貴重な情報です。
あまりひとつの整理方法だけに固執し過ぎず、弁護士のアドバイスを聞きながら、柔軟に整理方法を検討してください。

整理方法を選択する時、一番重要なのは借金の総額よりも、自分の「返済能力」です。

まずは収入から生活費などを差し引いて、今後毎月無理なく返済に回せる確実な金額を算出します。
この際、絶対に無理な返済計画は立てないでください。
生活費も無駄遣いを見直すことは必要ですが、極端に切り詰めても長続きしません。
病気などで1~2ヶ月収入が途絶えても、破綻しないのが「確実な」金額です。
この金額を3年分(36回分)積み上げた額と、現在の借金総額を比較します。

借金の額がかけ離れて多ければ、自己破産を選択せざるを得ません。
ですから、債務が100万円でも、返済能力が月1万円しかなければ、破産をさぜるを得ませんし、月10万円の返済能力があれば、350万の借金でも任意整理が可能です。
債務が返済能力を少し上回る程度であれば、利息の再計算などで債務の減額が期待できるので、任意整理や特定調停を検討できます。
今後も一定の収入が見込める場合は、個人再生も検討できます。(500万円以下の借金なら、月々3万円程度の返済能力あれば可能です)

参考(1)
借金総額300万円の人の月々返済額(弁護士費用等は含まれません)
自己破産の場合・・・0円
任意整理の場合・・・最高約8万3000円
個人再生の場合・・・約3万円(+住宅ローン)
参考(2)
2009年の総務省「全国消費実態調査」によると、家計の1ヶ月当たりの平均黒字額(実収入から実支出額を引いた残金)は下記のとおりです。
●年収250~300万円の世帯の平均黒字額・・・・29,736円
●年収350~400万円の世帯の平均黒字額・・・・59,697円

平均値なので、地域や家族構成によって差はあると思いますが、これが返済可能額の目安になると思います。

ここから計算して、任意整理で無理なく完済できる債務額は、利息引き直し(後述)後の元金で
●年収300万円前後の人・・・108万円(5年返済が認められれば180万円)
●年収400万円前後の人・・・216万円(5年返済が認められれば360万円)

この程度が限界だと言えるでしょう。
これ以上の債務を任意整理で返済しようと思ったら、かなり徹底した生活費の見直しが必要になるはずです。
くれぐれも気合や見込みだけで、無理な返済計画を立てないようにしてください。

夫婦(家族)で債務を抱えている場合

債務整理は個人の単位で行います。夫は夫、妻は妻でそれぞれ個別に債務整理をしますので、合算ではなく、それぞれの債務額と返済可能額を算出してください。
「妻は自己破産で、夫は任意整理」という形になることもあり得ます。

無理な返済計画は厳禁!!

特別な理由はなく、心情的に「破産だけはしたくない」というだけで、無理な返済計画で任意整理を強行する人は少なくありません。
しかし、債務整理をすれば、何があっても絶対に借入はできなくなります。
急病や失業などのリスクも織り込んで、多少の貯蓄ができる程度の返済計画を立ててください。
ある弁護士の実感値では、「任意整理をしても約7割の人が完済できない」そうです。
任意整理も自己破産も大きなリスクの差はありません。
最初から自己破産を選択肢からはずさないで考えてください。